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夏の記憶 千秋公園お堀のハス

(全文820文字/写真2枚)

花がひんやりとした風に揺れている。季節は移ろい秋へ。花は散歩やジョギング、祭参加の市民、観光客、通勤通学の人たちの目を楽しませてきた。秋田市千秋公園の大手門堀のハスの花が終わろうとしている。

 

花を惜しみながらゆく夏を振り返る人たちがいた。「そろそろ見納めかな」。早朝の堀端で、あちこちから漏れてくる声。スマートフォンのシャッターを切る音も聞こえてくる。

堀沿い中土橋のババヘラアイスのおばさん。「ハスの花は面白いよ。午前中、開店準備をしていると堀一面に咲いている花が、『きょうも頑張れ』と応援しているみたい。で、夕方に店閉まいを始めるころにしぼんでいく。『ご苦労さん。また、あした』と言っている」

 

       ババヘラアイスのパラソルは秋田の風物詩

その花が翌日しっかり開いて私を迎えてくれる」。ババヘラアイス繁忙期の七月上旬から9月中旬までが開花期間。「酷暑だった竿燈期間はよく売れたよ」とババヘラアイスのおばさん。

なかいちの広場で毎週のように行われるイベント、コンサート、美術展。街中心部に人が戻ってきた。なかいちにある秋田県立美術館は7月11日から8月31日の会期で「エロール・ル・カインの魔術展」を開いた。スタッフは「入館者2万人は上々。記憶に残る夏の催しだった」。

この入館者の多くが大手門堀のハスを楽しんだことだろう。同館は9月9日から「レオナール・フジタとモデルたち展」をスタートさせる。

なかいちで営業する福多珈琲。スタッフがテラス席の準備に慌ただしい。テラス席からは広小路を挟んで大手門堀がよく見える。

「午後から好天になった。きょうは満席なるかな。今年から始めたテラス席でのんびり花も楽しんでほしい」。福多珈琲は、9月3日でハスの花を惜しみながらテラス席を閉めた。

ハスの英名はロータス。大手門堀を見下ろす秋田キャッスルホテル最上階のバー「ロータス」。宿泊客が「粋な名前だね。堀のハスの花が素晴らしかった」と話し、「もう一杯」と追加。

(雪国TODAY2017年9月号)