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物部氏 2千数百年の時空 女性の一生の幸せ守る 雪の唐松神社 64代宮司・長仁の祈祷 きょうも

(雪国TODAY2018年3月号/5300文字/写真18枚)

六十四代宮司・物部長仁(もののべ・さきひと=72)の威厳と優しさに満ちた祝詞が、お宮参りの家族の心に染みわたった。全国一少子化が深刻な秋田県。最高気温が氷点下の真冬日だというのに、参道に健やかな赤ちゃんの成長を願う夫婦や子宝を望む人たちの姿があった。
2千数百年前の古代に興り、大化の改新につながる大和朝廷を巻き込んだ蘇我氏との抗争、そして歴史の表舞台から消える。その物部一族の末裔が守る大仙市協和境の唐松神社を訪ね、神秘に満ちた物部氏の歴史に触れた。(敬称略)

物部氏の末裔が守る秋田県大仙市の唐松神社。六十四代宮司・物部長仁の祈祷

唐松神社に一子相伝の『物部文書』が現存する。加えて『物部文字』も。先代の宮司が門外不出の神宝、文書の公開に踏み切ると、歴史家は強烈な衝撃を受けた。古事記や日本書紀に一石を投じる貴重な資料。日本の古代史を知る手掛かりとして、今なお研究者の文書解明への作業が続いている。

 

寒い。2月18日午前の唐松神社。数日前から降り続いている雪にもかかわらず、拝殿に通じる樹齢300年を超える杉並木の参道はきれいに除雪されていた。雪が唐松神社の神秘性を際立たせ、参拝者を古代神話の世界に誘っていた。

 

「まぁ、まぁ、こんなに寒い日によくお出でになりました」。長仁の妻で唐松神社の別宮、天日宮(あまつのひみや)の宮司を務める協子(72)が、お宮参り(生後間もない赤ちゃんの成長を祈念する行事)の家族を気遣った。

お宮参りの家族。健やか赤ちゃんの成長を願う

唐松神社の地元、大仙市協和境の男性は「年明けに娘夫婦に赤ちゃんが生まれた。元気に育ってほしい」と、妻と娘夫婦、赤ちゃんを連れて来た。

女性の一生の幸せを守っているという唐松神社には全国各地から四季を通じて参拝者が訪れる。

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