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秋田の地酒 パリで本格デビュー 最高ランクのホテルで華やかに 地方創生へ北都銀行

(雪国TODAY2018年1月号/全文3700文字/写真14枚)

深まるパリの秋。イルミネーションに照らされた凱旋門前の高級レストランでシェフ、ソムリエたちが秋田の地酒、食と対峙していた。秋田の地酒がパリの高級レストランに本格デビューを果たす。事業の実現性を目利きが見極めた。北都銀行地方創生部の力量が問われる2018年が明けた。(敬称略)

2016年3月の大仙市。金紋秋田酒造の酒蔵は残雪の中にあった。パリとロンドンから来県した計10人のシェフとソムリエ。酒蔵で各種地酒の試飲を繰り返した。ある者は酒を口に含んでは頬を膨らませたり、すぼめたり。目を閉じたまま喉越しを確かめている者も。

 

しばらくすると、「蔵にこの酒は何本ありますか」

ジョエル・ロブション氏が経営するラトリエ・ド・ジェエル・ロブション・エトワールのシェフソムリエが尋ねた。それは金紋が主力商品とする古酒だった。

 

「四合瓶で1000本ほどです」

社長の佐々木孝が応じると、

「全部買いたい」ソムリエはこともなげに微笑んだ。

「パリに全部持っていかれてはかなわない。500本はこちらに譲ってくれ」

ロンドンから参加のソムリエが慌てた。

 

北都銀行執行役員の齋藤明弘54歳。仙台市出身。齋藤は3年半前、海外ビジネスのスキルを買われて、みずほ銀行から北都銀行が傘下に入る仙台市に本社を置くフィデアホールディングスに転籍。

2年半前に北都銀行地方創生部に迎えられた。みずほ銀行ではハノイ支店長、インドネシアみずほ銀行社長を務めるなど海外ビジネスのエキスパートだ。

 

金紋視察の一行の中心的存在として、ミシュランの星付きレストランを多数経営するジョエル・ロブションの子息ルイ・ロブションがいた。「自分の味覚に絶対的な自信を持つソムリエにアプローチし、認められれば、秋田の日本酒のブランド力が高まる。やはり、ルイ・ロブション氏のように、ソムリエの資格も持ち、一流のソムリエとの人脈がある人たちと組まなければ、秋田の地酒の安定した輸出は難しい」と齋藤は実感した。

 

 ルイ・ロブションはフランスワインを日本に輸入するビジネスを軌道に乗せていたが、新たに日本酒をフランスのミシュラン星付きレストランに輸出するビジネスにも動き出していた。そうした中で国内の酒蔵を視察、日本酒の試飲を精力的に行っていた。金紋視察もその一環だった。

秋田の地酒を知ったことが2016年10月のジャパンエクスキーズ社設立につながっていく。

 

「フレンチの皇帝と呼ばれ、世界一ミシュランの星を持つジョエル・ロブションを父親に持つルイ・ロブションが、日本酒を中心とした日本産食品、日本の伝統工芸品の海外展開、輸出をコンサルティングする新会社、ジャパンエクスキーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:ルイ・ロブション)を設立したことをお知らせいたします」。

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物部氏 2千数百年の時空 女性の一生の幸せ守る 雪の唐松神社 64代宮司・長仁の祈祷 きょうも

(雪国TODAY2018年3月号/5300文字/写真18枚)

六十四代宮司・物部長仁(もののべ・さきひと=72)の威厳と優しさに満ちた祝詞が、お宮参りの家族の心に染みわたった。全国一少子化が深刻な秋田県。最高気温が氷点下の真冬日だというのに、参道に健やかな赤ちゃんの成長を願う夫婦や子宝を望む人たちの姿があった。
2千数百年前の古代に興り、大化の改新につながる大和朝廷を巻き込んだ蘇我氏との抗争、そして歴史の表舞台から消える。その物部一族の末裔が守る大仙市協和境の唐松神社を訪ね、神秘に満ちた物部氏の歴史に触れた。(敬称略)

物部氏の末裔が守る秋田県大仙市の唐松神社。六十四代宮司・物部長仁の祈祷

唐松神社に一子相伝の『物部文書』が現存する。加えて『物部文字』も。先代の宮司が門外不出の神宝、文書の公開に踏み切ると、歴史家は強烈な衝撃を受けた。古事記や日本書紀に一石を投じる貴重な資料。日本の古代史を知る手掛かりとして、今なお研究者の文書解明への作業が続いている。

 

寒い。2月18日午前の唐松神社。数日前から降り続いている雪にもかかわらず、拝殿に通じる樹齢300年を超える杉並木の参道はきれいに除雪されていた。雪が唐松神社の神秘性を際立たせ、参拝者を古代神話の世界に誘っていた。

 

「まぁ、まぁ、こんなに寒い日によくお出でになりました」。長仁の妻で唐松神社の別宮、天日宮(あまつのひみや)の宮司を務める協子(72)が、お宮参り(生後間もない赤ちゃんの成長を祈念する行事)の家族を気遣った。

お宮参りの家族。健やか赤ちゃんの成長を願う

唐松神社の地元、大仙市協和境の男性は「年明けに娘夫婦に赤ちゃんが生まれた。元気に育ってほしい」と、妻と娘夫婦、赤ちゃんを連れて来た。

女性の一生の幸せを守っているという唐松神社には全国各地から四季を通じて参拝者が訪れる。

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春山スキー 秋田駒オールドコースへGO ! 

(雪国TODAY2018年3月号/全文2400文字/写真8枚)

秋田県乳頭温泉郷を山懐に抱く秋田駒の春山スキーがにぎわっている。かつてのゲレンデからリフトが撤去され、代わってバックカントリースキーを楽しむ人たちの人気コースに。あなたも大自然の中に飛び込んでみませんか。

 

雪上車・キャットの高度が上がるに連れて美しい白銀の峰々が迫ってきた。男岳、女岳、男女岳が連なる秋田駒ヶ岳(1637㍍)のオールドコースが春スキーのハイシーズンに突入した。

「キャットが運行を開始した2月以降、天気は大荒れだった。3月に入って、ようやく天候が安定した。これからが春スキー本番」とキャット運転士の黒沢高成さん。

田沢湖高原のアルパこまくさを午前9時半に出発した満員のキャット(定員20人)がスキーヤー、ボーダーを乗せて8合目を目指した。秋田駒オールドコースは雪上車導入でいまや、国内屈指の春スキー山岳コースとなった。キャットがかつての田沢湖高原スキー場、その後に運営会社が代わったアッスルスキー場の第1、第2、第3ゲレンデを雪煙を上げて進む。まもなく樹氷原のエリアに入った。首都圏から来たというグループ。「夜行バスで早朝、田沢湖高原に到着。8合目から山頂を目指す。バックカントリースキーを楽しんで夜行バスで帰る弾丸ツアーに参加した」

 雪面を見ると、野ウサギやキツネの足跡が驚くほど多数点在している。林間を縫うようにスキーヤーが滑走している。スノーボードを楽しむ人も。駒ヶ岳で四季を通じてトレッキングなどのガイドをしている田沢湖アウトドアツアー。日本山岳ガイド協会認定などの専門知識を持った4人が安全な春山スキー、スノーボードに対応している。代表の佐藤裕之さんは「晴れた日の男女岳のオープンバーンは雪が締まり、ダイナミックな滑走を楽しめる。

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