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パリからの手紙 欧州舞台のピアニスト 秋田市出身の武田梢さん

(雪国TODAY2016年10月号/全文2870文字/写真7枚)

ドイツ・バイエルン州バイロイト市の1753年に建築されたシュタイングレーバーピアノハウス。若手女性ピアニストが緊張した面持ちで鍵盤に向かい合っていた。演奏が終わった瞬間、「ブラボー」と歓声が沸き、拍手が鳴り響いた。立ち上がり観衆に向き合うと彼女の顔はほころび、満面の笑みでそのコンサートを締めくくった。秋田市出身のピアニスト武田梢さんの「パリからの手紙」をお届けする。

 

バイロイト音楽祭で世界的に有名なドイツのバイロイト市。昨年2月のことです。リスト国際音楽コンクールの審査員を務めたピアニストの推薦と、老舗のピアノメーカー、シュタイングラーバー&ゼーネ社の招待で、リストの作品をメーンにしたリサイタルを行う機会を頂きました。コンサートは満席で、観衆の惜しみない拍手に私も感極まりました。この瞬間があるから、血の滲むような努力が報われたような気持ちになる。そして、ますます精進していきたいと。次のコンサートへのエネルギーにつながるんですね。コンサートの翌日は、ピアノ製造工場やリストの滞在した館を見学しました。リストも演奏したロココホール。窓際にはリストの注文で作られたというレモン色の優雅なバイロイト音楽祭で世界的に有名なドイツのバイロイト市。昨年2月のことです。リスト国際音楽コンクールの審査員を務めたピアニストの推薦と、老舗のピアノメーカー、シュタイングラーバー&ゼーネ社の招待で、リストの作品をメーンにしたリサイタルを行う機会を頂きました。コンサートは満席で、観衆の惜しみない拍手に私も感極まりました。この瞬間があるから、血の滲むような努力が報われたような気持ちになる。そして、ますます精進していきたいと。次のコンサートへのエネルギーにつながるんですね。コンサートの翌日は、ピアノ製造工場やリストの滞在した館を見学しました。リストも演奏したロココホール。窓際にはリストの注文で作られたというレモン色の優雅なピアノがあるんですよ。美しい模様の譜面台や、猫足のピアノにじっと見入り目をつぶると、このピアノで演奏をするリストの幻が見えた気がして涙が出てきました。今でも素晴らしいコンディションを保つそのピアノで、昨日弾いたばかりのリストの曲を弾く。その瞬間、私は世界で一番幸せなピアニストでした。まるで、リスト本人と対話したような興奮は、数日たっても収まりませんでした。

帰路の途中、せっかくなのでプラハに数日滞在しました。

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